日経平均株価は、景気や株式市場のトレンドを把握できます。

日経平均とは

株価の電光掲示板

日経平均とは225銘柄の株価から算出される株価指標で、日本経済新聞社が銘柄選定しています。
経済ニュースで日々の値動きを紹介されるなど、国内ではもっとも知名度が高い株価指標です。

 

景気や株式市場全体のトレンドを判断する際に有効で、先物取引も大きなマーケットになっています。
しかし、一部の銘柄が与える寄与度が大きい問題があり、経済や企業業績は関係なしに大口が意図的に株価を操作する注文が入りやすいことが問題点です。
日経平均の仕組みとお金の流れをまとめました。

 

構成と歴史

日経平均は取引が活発で流動性の高い東証一部上場225銘柄で構成されています。流動性が高いだけではなく、業種の構成も配慮されていることが特徴で、定期的に銘柄入替を行っています。
日経平均の前身は1950年に計算を開始した「東証第1部修正平均株価」で、1970年に日本経済新聞社が指数の算出・公表を引き継いで何度か名称変更しています。

 

1975年にはアメリカの経済新聞「ダウ・ジョーンズ」と提携して「日経ダウ平均株価」と呼ばれていた時期がありました。
その後は平均株価の算出方法を見直すなど度重なる改定を行っていますが、日経ダウ平均株価と呼ばれていた経緯があることから、日経平均はダウ工業30種の平均株価と連動する構成になっています。

 

実際にダウと日経平均は業種の構成が変わる要素が大きいのですが、お金の流れではダウ指数と連動。もしくは日経平均がダウに追従する形で動いています。

 

日経平均は株式市場が開いている時間帯に動きますが、夜間も取引されている日経225先物取引はダウ工業30種の株価指標と連動する値動きをしていて、ダウが上がった日の翌朝は日経平均も値上がり。ダウが下がれば日経平均も下がるケースが多いです。
こうしたダウとの連動性があるため、日経平均の値がさ株は悪い決算などネガティブなニュースが出た直後でも、ダウが値上がりした要因で買い注文が入るケースがあります。

 

値がさ株の問題

日経平均は時価総額を考慮しない計算方式のため、一部の値がさ株が大きな比重を占めることを問題視されています。
2020年9月現在、ファーストリテイリング(ユニクロ)の1銘柄だけで全体の9.8%を占めているほか、ソフトバンク、ファナック、KDDIを含めた4社で全体の20%以上の比率です。
そのため、海外の投資家は日経平均ではなく東証一部全銘柄から時価総額を元に算出される東証株価指数(TOPIX)を重視する動きが強くなっています。

 

日銀の買い支え

ETFと書かれたオブジェクト

2010年12月より金融緩和の一環として、日本銀行がETFを通じて株式を買い入れするようになりました。
ETFの買い入れを行う目安の一つが前場(午前の取引)終了時点でTOPIXが前日比0.5%以上値下がりしていること。
TOPIXを基準に買い入れを判断して幅広い銘柄に購入するルールですが、なぜかETFを通じて買い入れする銘柄は日経平均225銘柄の比率が高くなっていることを問題視されています。

 

金融緩和によるETF買いの影響で、日経平均は新興市場に比べて中長期的な値下がりリスクが低いことを覚えておきましょう。

 

また、ETF買いの残高が膨らんだことによって、ETFの配当日にまとまった売りが出るなど、日経平均におけるお金の流れが変化しています。
日経平均の銘柄になる主力株や先物取引で資産運用する方は、こうしたお金の動きと関係性を正しく理解しておいてください。