インフレーションとは
インフレーションとは物価上昇のことで「インフレ」の略語が浸透しています。
安倍政権時代にはインフレ政策が行われ、生活の中で物価上昇を実感している方が多いのではないでしょうか?
消費者目線で見ればインフレはネガティブに捉えられることが多く、収入が変わらないのであればデフレーション(物価下落)になった方が生活は豊かになります。
しかし、お金と経済の観点ではインフレーションは幅広いメリットがあり、将来的に国民の生活を豊かにすることが可能です。
インフレーションのメリット
インフレーションには以下のメリットがあります。
- お金の流通量が増えて税収が増える
- 事業者の売上が増加して平均所得が高まる
- 外貨と比べた円の価値が低下して円安になる
- 株価が上昇する(資産運用がうまくいきやすい)
- 年金対策へ繋がる
理想の形はインフレーションと並行して国民の平均所得・税収も一緒に上昇していく状況です。
そうなれば、お金の流通量が活発になるほか、円安効果によって輸出産業に強い日本全体の経済が良い方向へ動きます。
円安・円高など為替が与える影響を詳しく知りたい方はコチラのページを参考にしてください。
インフレは年金対策?
2010年代に景気回復させたアベノミクスでは、3本の矢の一つとして「デフレの脱却」を掲げ、僅かながらインフレーションを起こす結果を残しました。
国策としてデフレの脱却・インフレーションの誘導を進めている要因の一つに年金対策があることをご存じですか?
国策としてデフレの脱却・インフレーションの誘導を進めている要因の一つに年金対策があることをご存じですか?
日本は少子高齢化が続いていて、このままいけば現役世代が払う年金や税金で高齢者の年金を支払えなくなる日が来ます。
将来的に年金を減らされる懸念もありますが、年金支給額を減額すれば国民から反感を買うことが明白です。
そこで政府はインフレーションによって税収を高めて、現在と同額の年金で負担を軽減させようとしています。
インフレーションが進んで生活費と税収が高まっても、年金支給額が同じなら実質の減額と同じです。
このように外貨との相対的な円の価値だけではなく、日本独自の事情でインフレーション政策を行っているカラクリがあります。
資産運用を始める方が増えた老後2,000万円問題の発言は、将来的に年金だけでは生活が窮困する可能性が高まっている証拠でしょう。
急激なインフレは危険
インフレーションは経済全体に良い効果を与えますが、強引なインフレ政策によって物価を急上昇させる行為は非常に危険です。
急激な物価上昇はハイパーインフレと言われていて、3年間で物価上昇率100%以上が定義とされています。
ハイパーインフレが起こると、インフレーションのメリットを打ち消す状況へ陥り、急激な通貨価値の下落によって多くの国民が生活困難な状況へ追い込まれます。
そのため、政府と中央銀行は緩やかにインフレーションを起こすように調整を行っていますが、2020年は歴史的な世界大恐慌によってハイパーインフレの懸念が囁かれるようになりました。
万一ハイパーインフレが起こった際は、賃貸と持ち家で生活環境に大きな差ができるかもしれません。
急激な物価上昇および円の価値が低下した場合、賃貸住宅の賃料が大幅に値上げされる懸念があります。住宅ローンを組んだ持ち家であれば、金利上昇による若干の負担増が懸念される程度です。