上場と未上場
株式会社には上場企業と未上場(非上場)企業の2種類があります。
上場企業は株式市場へ公開して一般の方でも自由に株式の売買をできる企業。未上場は取引する相手を直接探すことで株式の売買が可能です。
株式会社の上場と未上場の違いをどこよりも分かりやすく解説いたします。
大企業の多くが上場する理由
上場している企業の目的は次のパターンがあります。
- 企業の信頼性を高める
- 会社の知名度が高める
- 資金調達を有利に進められる
- 未上場時代の株式が上場によって大きな利益をあげられる
すでに上場している企業の場合、株価が値上がりして時価総額が高まっても企業の直接的な財務やキャッシュに影響は出ません。
利益に応じて配当を出している企業は、株価が値上がりするほど出費が多くなる一面を持っています。
こうしたデメリットがあっても、上場企業としてのステータスや資金調達を有利に進める目的で上場しているケースが多いです。
ベンチャーキャピタル
未上場企業へ出資するベンチャーキャピタルは、出資した企業を将来的に上場させ、上場後に市場で株式を売却することで利益を出しています。
未上場企業でも将来的に上場できるビジネスモデルを持っている場合は、ベンチャーキャピタルを通じてまとまった資金調達が可能です。
上場するための基準
未上場企業は企業規模が小さい理由で上場できないケースと、その気になれば上場できるけどあえて上場しない2つのパターンがあります。
上場企業は証券取引所の基準をクリアし、幅広い観点から行われる厳しい審査をパスしないといけません。
参考までにベンチャー企業が上場する東証マザーズの場合、時価総額(上場時見込み)10億円以上で高い成長の可能性を持つと認められる企業が上場の要件です。
東証二部は時価総額20億円以上・純資産10億円以上が必要になるなど、大企業と呼ばれる事業規模でないと上場することができません。
あえて上場しない理由
・サントリー
・JCB(ジェイシービー)
・ロッテ
・日本IBM
これらは上場していない大企業の代表格です。証券取引所の審査を悠々パスでき、上場すれば国内最高位の東証一部上場を果たせる企業でも、あえて上場していないケースが多数あります。
あえて上場しない企業は次の理由で未上場企業として経営する道を選んでいます。
- 株主の意見に左右されたくない
- 買収リスクを懸念している
- 上場維持のコストが高い
- 現金資産が多く資金調達しやすいメリットを感じていない
- 財務状況を公開したくない
資産運用は上場企業で
資産運用する際は未上場企業を投資先から切り捨ててください。
例外として直接の知り合いが起業する際に出資するのであれば検討する価値があるでしょう。
ベンチャーキャピタルのように未上場企業の株を買って莫大な利益を出すことも可能ですが、個人へ舞い込んでくる未上場株の投資話は大半が詐欺です。
資産運用は投資家からお金を騙し取ろうとする輩が多く、未上場企業の株を買って売却できない状況へ追い込まれる事例が多数あります。
上場企業への投資は比較的安全ですが、株価の急落や上場廃止、倒産など大きな損失を出すケースがたくさんあります。
倒産する確率は未上場より上場の方が低いですが、上場企業の中でも投資価値が高い会社をしっかり見極めて株式の売買をするようにしてください。